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リーンスタートアップまとめてみました

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起業や新規事業開発において有効な方法論のリーンスタートアップについてまとめてみました。
企業の状況(製品、市場、顧客、タイミング、メンバー、法律など様々なこと)により、実際は理論通りにはいかないと思いますが、起業や事業開発の基礎的な流れとして頭にいれとくのは携わった時に大いに参考になると思いまとめました。



目次

1. リーンスタートアップとは

リーンスタートアップとは、スタートアップの成功確率を高める企業論/組織論の1つです。
最低限の製品を作り、顧客に提供し、顧客の反応を観察し改善する。
この流れを繰り返しながら、資金が尽きるまでに、市場や顧客を発見し、製品を開発していく方法論です。

引用元: リーンスタートアップ - Wikipedia


1.1. スタートアップの課題

スタートアップは、安定した企業と違い、主に資金というリソースが尽きるまでに事業を作る必要があります。
しかし、スタートアップは「顧客が誰で、何を作れば良いのか」といったビジネスモデルの根底となる部分から不明確です。
そのため、よくある失敗として「顧客が欲しがらないものをつくってしまった」「その市場には顧客がいなかった」といったことをしがちです。
半年や1年を費やして製品を作って、想定していた顧客がいなかった、となってしまっては、この半年や1年などのお金や労力などが無駄になってしまいます。

1.2. リーンスタートアップの登場

リーンは「無駄がなく効率的」という意味です。
リーンスタートアップは、スタートアップにおいての無駄である「顧客が欲しがらないものをつくってしまった」「その市場には顧客がいなかった」というような無駄を極力減らすようにする方法論です。
具体的には、顧客との対話を中心に、ビジネスモデルのリスクの高い箇所を低コストで検証していくことで、顧客が欲しがる製品・サービスを作っていきます。

1.3. 参考: スタートアップとスモールビジネスの違い

スタートアップとスモールビジネスは厳密には異なるようです。
スタートアップは急成長するようにデザインされた企業であり、徐々に成長するようなビジネスはスモールビジネスとコンテキストを分けているようです。
スタートアップは、初期はビジネスモデルの検証をするので赤字になり、検証が終わったら、一気に資金や人や広告などを突っ込み、急成長していくため、Jカーブを描くともいわれています。

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引用元: Startup Science - Startupとスモールビジネスの違いとは?


2. リーンスタートアップの主要な方法論やツール

主に次のような方法論やツールがありますので、簡単に1つ1つ説明していきます。

  • リーンキャンバス
  • 構築-計測-学習のフィードバックループ
  • 顧客インタビュー
  • MVP(実用最小限の製品)
  • 計測
  • ピボット

2.1. リーンキャンバス

リーンキャンバスは、スタートアップ用にビジネスモデルを9つの要素に分けたものです。
メリットとして、シンプルなので、作成、修正、共有が簡易にできるのでビジネスモデルの見取り図にできます。
最初の頃は、ビジネスモデルについていくつも考え、また、検証しながら書き直すので、シンプルさがかなり役立つようです。
9つの要素として、顧客セグメント、課題、独自の価値提案(UVP)、ソリューション、チャネル、収益の流れ、コスト構造、主要指標、圧倒的な優位性があります。

小話として、ソリューションの欄が小さいのは、普通はこんなことができたら嬉しいのではとソリューションファーストでビジネスを考えてしまいがちですが、「スタートアップにおける製品とはビジネスモデル全体」という思いが込められているので、ソリューションの欄が小さくなっているようです。

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しかし、リーンキャンバスの落とし穴として、事業やチーム、会社の置かれてる状況に応じて、リーンキャンバスに出てこない 目に見えないリスクが介在してることを忘れないようにする必要があるようです。

  • 誰と始めるか
  • メンバーの熱量と差異(チームの持続可能性)
  • あなただけでそのドメインでやっていけるのか
  • そのチームがその課題を解決する必然性はあるか
  • そのチームにその課題を解決することはできるのか
  • なぜ今なのか、なぜ今まで同じことをやる人がいなかったのか(市場や技術動向の状況と投入のタイミング)
  • その領域は、仮説検証を短サイクルでできるか、低コストで仮説検証をまわせるか(創薬とかはサイクルに数年から数十年かかる)
  • 法的、規約的、業界の慣例的なルール違反をしていないか
  • 誰から出資をうけるか(ステークホルダーを誰にするか)
  • 新規事業としてやる場合、社内でやるべきなのか、社外でやるべきなのか
  • 新規事業としてやる場合、誰でボトルネックになるのか(決裁マラソン、上長、部下、チーム)
  • などなど

引用元: LEANSTARTUPアンチパターン #devlove #leanstartup



2.2. 構築-計測-学習のフィードバックループ

仮説を「構築(Build)」し、製品を「測定(Measure)」し、データから「学習(Learn)」するというフィードバックループです。(以下、BMLループとして略します)

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仮説は主に、リーンキャンバス上の未実証なビジネス要素であり、このループを回しビジネスモデルを検証していき、持続可能なビジネスを発見・構築していきます。
このBMLループを使って、どう計画し、実証していくかは下記のような流れになります。

  • 計画段階

1. 仮説を考える、選ぶ
2. 仮説検証のために、何を学ぶ必要があるのか?
3. 学ぶのに必要なデータはなにか?
4. そのデータをどうやって測定するか?
5. 測定に必要な製品はなにか?
6. 製品をどうやって構築するか?

  • 実証段階

7. 製品を構築する
8. 製品ができ、顧客に提供する
9. データを計測する
10. データを元に検証する
11. 学ぶ
12. 仮説を検証、調整する

引用元: LEANSTARTUPアンチパターン #devlove #leanstartup



2.3. 顧客インタビュー

製品を創る前や作っているときに、顧客インタビューを実施することで、効率的にリーンキャンバスの仮説を検証し、無駄を減らすことができます。
課題を検証する「課題インタビュー」、解決策を検証する「ソリューションインタビュー」、製品(MVP)を検証する「MVPインタビュー」などがありますが、仮説を検証するために、適宜顧客インタビューを通して、製品を作っていくことが大事です。

  • 課題インタビュー

課題に対する顧客の反応を計測します。例えば、課題に特化した予告用LP、ブログ記事、広告などの反応を見ます。また、デザイン思考やユーザー中心設計などの手法で採用されている「観察技法」や「構造化インタビュー技法」などを通して課題や既存の解決策などについて理解を深めることができるようです。
リーンキャンバス上では「課題」「既存の代替品」「顧客セグメント」を検証できます。

  • ソリューションインタビュー

顧客にソリューションのデモ(プロトタイプやモックなど)を見せて、課題が解決できるかどうかを検証します。
リーンキャンバス上では「アーリーアダプター」、「解決策」、「収益の流れ」を検証できます。

  • MVPインタビュー

見ず知らずの人に流通チャネルでMVPを販売する前に、アーリーアダプターに直接販売し、そこから学習して、ローンチのためのデザイン・ポジショニング・価格を改良することができます。
リーンキャンバス上の「独自の価値提案」、「チャネル」、「収益の流れ」を検証できます。


参考: メルカリの話

又聞きした話なので誤ってる可能性も高いのですが、毎週10人など顧客インタビューをする仕組みがあり、インタビューチームがあるらしいです。

出品時に売れやすい価格を提示して設定してもらうことで、特定期間内での売却完了率(Sell thourgh rae)を上げることを目的にサジェスト機能をメルカリUSに導入したようです。

はじめリリースしたときは、最終的な出品価格はSuggest Priceより高いまま出品されてしまうのがほとんどだったらしいです。
ユーザーインタビューをすると、価格は出品する前から自分自身で決めていて、金額入力の後に金額提示されても、変更したくないという心理が芽生えることがわかったらしいので、価格入力前にサジェストをするように変更してサジェストの利用率が増加したらいいです。

引用元: 「企画の制限をつくらない」メルカリプロデューサーのあたまのなか by 太田垣慶 - mercan(メルカン)

このように、データやカスタマーサポートからの声などから新機能の反応などはわかりますが、なぜそうなるのか?というところに対しては、ユーザーインタビューで仮説を検証するほうが効率的に原因を理解できると思います。


2.4. MVP(実用最小限の製品)

実用最小限の製品で、BMLループにおいての製品の箇所に位置付けされています。
リーンキャンバスの未検証な仮説を実証するために、製品を全て作るのではなく、検証可能な必要最低限な製品だけを作ろうという考え方です。
MVPの内容は検証したい仮説によって様々なパターンがあるようです。(たぶん)


よく聞く例として、

  • 靴・アパレル通販サイトZapposの場合、オンラインで靴が売れるという仮説を検証するために、ウェブサイトに注文が来る度に創業者が靴を買いに行っては梱包し、配送するというプロセスをマニュアルで行なっていたそう。
  • Dropboxは、ファイル同期がなかった時代に、ファイル同期の利便性やニーズを伝えるために、プロモーション動画を作成し、Youtubeにアップロードしました。そして、HackerNewsに流して、事前登録者数してもらいニーズを実証したそうです。

事業を創る段階においては、しっかり製品を作るよりも、あやふやなビジネスモデルを実証していき、学んでいき、ときには方向転換することが何よりも重要なので、そちらにフォーカスしているなと感じました。

2.5. リーンスタートアップの計測(あんまりわかっていません)

「虚栄の指標(行動につながらない指標)」に惑わされずに、「行動につながる指標」をおっていこうという考え方らしいです。

  • 行動につながる指標

ファネルxコホート(ファネルは強力だけど顧客ライフサイクルを追えないのでコホートで各施策の反応を計測できるようにし、それぞれの施策の効果を測定可能にできるらしいです)

  • 虚栄の指標(行動につながらない指標)

アクセス数やダウンロード数など、製品の現状を表しているが、どうすれば目標達成できるのか、次に何をすればいいのかが単体ではわからない。


2.6. ピボット(方向転換)

事業的に製品やサービスの方針転換をすることです。リーンキャンバスのどこかの項目が修正や大きく変わるイメージです。

ある話だと、世の中の成功している製品・サービスの2/3はピボットしたことあるらしいです。
これを信じると、いかに初期の段階のビジネスモデルが絵に描いた餅であり、仮説を検証して学ぶことの大切さ、そして、学びからピボット(方向転換)していくことの大切さを示していると思います。

また、ピボットのコツは片足突っ込んで、もう片足を変更するのがよいようです。
これは、今までの学びを活かしながらより重要な課題や効果的な解決策などを模索しているからだと思います。
具体的には、新たなより重要な課題を発見しそちらに対応する、データをみてみるとこの機能ばかりが使われていたからその機能だけ特化させるなどピボットのパターンもいくつかあるようです。

ピボットサンプル

  • 出会い系サイトを作る -> うまくいかない -> 動画共有機能はよく使われている -> 動画共有サイトにピボット => Youtube
  • 位置情報チェックインアプリを作る -> うまくいかない -> 写真共有機能はよく使われている -> 写真共有サイトにピボット => Instagram
  • オンライン募金サービスを作る -> うまく行かない -> 共同購入機能はよく使われている -> 共同購入サービスにピボット => Groupon
  • オンラインゲームを作る -> うまく行かない -> 写真共有機能はよく使われている -> 写真管理共有サービスにピボット => Flicker


3. スタートアップとリーンスタートアップの概要

スタートアップの大まかな流れをまとめてみました。

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スタートアップの流れ(Phase)

1. ビジネスアイデアを考えます。
2. 次に、そのビジネスアイデアの最も重要な、「誰がその課題を抱えていて、解決するべき課題なのか、どういった解決策を望んでいるのか」といったことを固めていきます。
3. そして、製品を作っていき、顧客に提供しながら、改善していき、顧客が満足できる製品にしていきます。
4. 最後に、顧客獲得コスト(CPA)や顧客生涯価値(LTV)を最適化しながら、資金投入し一気にスケールしていきます。

3番の段階で市場が見つけられない、顧客が満足するほどの製品をつくれなかったといったようなことで、失敗するのが最も多いようです。

リーンキャンバス(ビジネスモデル)

各ステップごとに、リーンキャンバスの内容もブラッシュアップされていきます。

1. 9つの各要素はまだ仮説段階であり未検証な状態です。
2. 課題、顧客、独自の価値提案(UVP)といったビジネスモデルの根幹となる箇所の検証をします。
3. 製品を作りながら、解決策、収益、チャネルなどを検証していきます。
4. そして、スケール段階では、各ビジネスモデルの要素をブラッシュアップしながらも、圧倒的な優位性を築いていきます。

主なアクション

1. まずは、仮説レベルでの最適だと思うビジネスモデル(プランA)を作成し、その中で最もリスクが高い箇所を特定します。
2. 課題インタビューや解決策インタビューを通しながら、課題や顧客、解決策について検証をしていきます。
3. BMLループを回し、MVPを作り、MVPインタビューをしながら、リーンキャンバスの各項目を検証していきます。
4. CPA/LTVの最適化、資金投入してスケールしていきます。

組織

1, 2. 営業や広報、開発などマルチロールをこなせる少数のメンバーで回していきます。
2, 3. Web、アプリ、インフラなど幅広くできるフルスタックなメンバーで製品を迅速に作っていきます。
3, 4. 組織も大きくなってくるので、専門性を重視しながら、各業務を最適化させていきます。

資金

1, 2, 3. エンジェル投資家や自己資金で製品を作りながら、ビジネスモデルを検証していきます。
3, 4. 製品を作り、顧客がついてきたりなど実績がでてくると、VCから資金調達を得られ、ビジネスモデルの検証やスケールを加速させることができます。


まとめ

実例がないのでいまいち理解しづらいと思いますが、全体像としてはこんな感じだと思いました。
それぞれの項目でより詳細に知りたい場合はリーンスタートアップシリーズの本がおすすめです。


リーン顧客開発 ―「売れないリスク」を極小化する技術 (THE LEAN SERIES)

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Lean UX 第2版 ―アジャイルなチームによるプロダクト開発 (THE LEAN SERIES)

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Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法 (THE LEAN SERIES)

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リーンブランディング ―リーンスタートアップによるブランド構築 (THE LEAN SERIES)

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Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)

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図解リーン・スタートアップ成長戦略

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リーンエンタープライズ ―イノベーションを実現する創発的な組織づくり (THE LEAN SERIES)

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起業の科学 スタートアップサイエンス

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