KPTのやりかたについて説明します。
KPTをやることでチーム開発のプロセス自体をフィードバックを行うことができ、より効果的・生産的にチーム開発を行っていけます。
対象読者
- チームメンバーがバラバラでチームの空気が重いと思っている方
- チーム内での情報の共有が上手くできていないと考えている方
- 問題を洗い出しても、具体的な行動につながらないと考えている方
KPTとは
- 「Keep(よかったこと、今後も続けること)」
- 「Problem(困ったこと、問題点)」
- 「Try(今後の活動で試したいこと)」
の略で、この視点でチームで振り返りをする思考フレームワークです。
これを毎週や数週間毎に定期的に行うことにより、チームとしての生産性を上げることができます。
KPTの流れ
Problem -> Try -> Keep パターン
問題があったのでProblemに記載。
改善策を考えTryに移動し実行する。
そして、効果があると思われたので今後も続けるためにKeepに移動する。
Keep -> Try -> Keep
よかったことを、もっとよくしていこうというもの。
Keepにあるものを、こうしたらより良くなるとTryに移動し、
Try -> Keep
KeepやProblem無関係にTryを実施して、次も続けるならばKeepとして扱う。
問題から発端としてないので、なかなかKeepになりづらい。
これらを定期的に繰り返すことにより、Keepが増えていき、問題が解消されてよりよいチームになります。
そうなったときには、「チームとしての成功体験が見える形でたくさんあり、連帯感も増えて、よいチームになっている」ことでしょう。
KPTの手順
※ 初回は 1, 2 は省略する
- チームとしてのどうなっていきたいかを決める(これに向かっていくための振り返りやカイゼンであるためこれがないと効果が上がりづらい)例えば、「残業が定常化しているなら残業時間を減らすために生産的に働く」「楽しく働く」などざっくりしたものでよいです。大切なことは、チームとしてどのなっていきたいという方向性をみんなで同意することです。
- 前回のTryの中で、次も続けた方がいいものはKeepに移動する。Prolemとして扱う必要がなくなったものは取り外す。
- Keepを各々が付箋紙に書いて、メンバーが書き終わったらチーム全員に共有する。こうすることで各々の意見がでて、いろいろな意見がでる。
- Problemを付箋紙に書いて、メンバーが書き終わったらチーム全員に共有する。
- KeepやProblemに対しての改善策をメンバーで考え、Tryを付箋紙に書いて共有する。
- 次の期間内で実行するTryを選択し、アクションに落とし込んで合意し、Todoとしてメンバーに割り当てる。
意見が出ない場合...
人数が多く、周りの人に遠慮してしまい意見が出にくくなっているかもしれない。そういうときは、グループに分けることが効果的。
KPTのテーマが不明確。問題はゴールと現状のギャップなので、テーマ(=ゴール)が不明確なので問題を認識できてない場合があるかもしれない。
「業務をよりシンプルに、より素早く行うには」というような、継続性があり、簡単にはゴールに到達できないテーマを設定すると良い。
問題の設定を促すために、意見を引き出す質問をするといいかもしれない。
[Keep]
- 今後も続けたいことは何ですか?
- どんなよかったことがありましたか?
- なぜ、上手くいった/よかったのですか?
- 他の人にちょっと自慢したいことや、褒めてもらいたいことはありますか?
- 他の人の「ここがよかった」というところはどこですか?
- 前と変えてみたところはありましたか?
[Problem]
- 気になることや、困ったことはありましたか?
- 何かガマンしていることはありますか?
- 「もっとできた」と思っていることは、どんなことですか?
- チームで決めたルールで、守れなかったことはありましたか?
- 目標の達成をさまたげることは、どんなことですか?
- ムダと感じることは、どんなことですか?
- 理想と感じることは、どんなことですか?
[Try]
- そのProblemを少しでも改善するには、何をすればよいですか?
- そのProblemをすべて取り払うには、何をすればよいですか?
- そのProblemがなくせないとしたら、何をすればよいですか?
- そのKeepの本質は何ですか?
- そのKeepをよりうまく行うには、何をすればよいですか?
- 目標に近づくためには、何をすればよいですか?
参考文献
- これだけ!KPT あらゆるプロセスを成果につなげる 最強のカイゼンフレームワーク